子宮内膜着床能検査とは

子宮内膜着床能(ERA)検査イメージ

体外受精による良好胚の移植を複数回以上実施しているのにも関わらず、妊娠が成立しないという場合などに行われる検査です。そもそも妊娠の成立とは、受精卵が(子宮内膜に)着床した状態です。なお着床する時期(子宮内膜が受精卵を受け入れる期間)というのは限定されており、これを着床の窓と言います。この期間を調べることで、体外受精による胚移植の着床する確率を上げていくというのがERA検査です。

ERA検査の流れ

まず月経が始まって2~3日経過したら来院します。その際に採血を行い、ホルモン量を測定します。異常なしと確認されるとエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤を月経3日目から投与していきます(融解胚移植と同様の周期でホルモン補充を行います)。その後、月経13日目に子宮内膜の厚さと採血によるホルモン量の測定を行っていきます。さらに⽉経14⽇⽬よりプロゲステロン(⻩体ホルモン)製剤の投与のほか、子宮内膜組織をその5日後に採取していきます(採取の方法は子宮体がん検査と同じ)。結果が出るまでには、3週間程度かかります。

その結果、着床可能となれば、次周期以降も同じスケジュールでホルモン補充と胚(受精卵)移植を行っていきます。なお着床不適で、着床の窓が通常よりも早いとなれば、プロゲステロン(⻩体ホルモン)製剤の開始から胚移植までの期間を長くとります。逆に着床の窓が通常よりも遅いことによる着床不適であれば、プロゲステロン(⻩体ホルモン)製剤の開始から胚移植までの期間を短くしていきます。